
できることだけを選ぶのは、逃げじゃなくて“避難”
2026年01月24日 19:25
パニック症や強い不安の真っ只中にいると、
「できないこと」を何度も試して、
そのたびに失敗したような気持ちになってしまうことがあります。
しかもその時期は、生活の中で
できなくなることが少しずつ増えていく
ことも少なくありません。
以前はできていたことが、今はできない。
その積み重ねが続くと、
自分が少しずつ崩れていくような感覚に襲われます。
できないことに挑戦し続けてしまう理由
「克服には挑戦が必要」
「できないままではいけない」
そう思って、
電車に乗ること、車の運転、仕事、人混みなどに
何度も挑戦しては、うまくいかず、
「またできなかった…」を繰り返してしまう。
これは気持ちの弱さではありません。
不安が強いときほど、
人は“元に戻そう”として無理をしやすいからです。
「避難」という考え方
あとになって分かったことがあります。
今できることだけにするのは、
逃げではなく「避難」だということ。
避難とは、
危険から目をそらすことではありません。
嵐が過ぎるまで、
これ以上つらくならないように守る選択です。
無理を続けるよりも、
いま動ける範囲にとどまることで、
身体や神経は少しずつ負荷を下げていきます。
避難と回避は違います
ここでよく混同されがちなのが、
「避難」と「回避」です。
回避:怖いから一生近づかない
避難:いまは難しいから、一度安全な場所へ戻る
回避は世界を閉じてしまいますが、
避難は回復のための余地を残します。
身体と神経には順番があります
不安やパニックが強いとき、
身体と神経は「生き延びるモード」で働いています。
この状態では、
落ち着く
挑戦する
広げていく
という流れが逆転してしまいがちです。
本来の順番は、
① 避難 → ② 落ち着く → ③ 少しずつ広がる
です。
無理に③から始めると、
かえって苦しさが増えることもあります。
避難は甘えではありません
できないことが増えていくと、
行動できる範囲が狭くなる
取り残される感覚が強くなる
自分が崩れていくように感じる
そんな焦りや恐怖が出てきます。
だからこそ、
無理に元の生活へ戻ろうとして、
さらに崩れてしまうケースも少なくありません。
避難は、崩れないための選択です。
最後に
もし今、
「できないことが増えて苦しい」
「このままで大丈夫なのか不安」
そんな状態にいるなら、
覚えておいてほしいことがあります。
いま動ける場所にいるのは、逃げたからではなく、
いまの自分を守るためです。
それさえ間違えなければ、
回復はちゃんと追いついてきます。